皆さんは『関西文化の日』をご存じですか。関西一円の美術館や博物館の入館料が無料となる取り組みで、今年は11月15、16日が中心日となっています。シマノ自転車博物館も入館料が無料になります。（来年はぜひ狙ってご来館ください）

さて、この日の自転車散歩は堺旧環濠エリアを巡ります。快晴の空に色付いた樹々が映え最高の自転車日和です。

シマノ自転車博物館を出発していつもの土居川公園を北上、まずは鉄砲鍛冶屋敷を目指します。

堺は何度か大火に見舞われていますが、北部地区は第二次大戦の戦禍を免れたことで歴史的建造物が残っています。

鉄炮鍛冶屋敷も江戸時代から残る井上関右衛門家の居宅で、鉄炮生産と販売を手掛けた場所として今では堺市の町家歴史館として一般に公開されています。
この日は、大変うれしいことに当井上家の井上俊二さんに鉄炮の作り方や構造、そして往時の商売にまつわる話までとても丁寧に聴くことができました。
実際に鉄炮を持たせてもらったり構え方を教わったり有難い体験もできました。

その後、すぐ裏手になる清学院を見て山口家住宅に向かいます。山口家住宅も江戸時代初期に建てられたもので、当時の町家の暮らしぶりを今に伝えます。
中に入ると頑丈そうな梁と土間の空間の広さに圧倒されますね。
江戸時代には『京の着倒れ大阪の食い倒れ』と言われたようですが『堺の建て倒れ』と例えられるくらい堺衆は建物に贅を凝らしたと言われています。

っかり堺の歴史建物に当てられて後、堺伝匠館（堺伝統産業会館）で刃物を中心とした堺の伝統産業を見学しました。
その後、「小嶋」で甘味を愉しんで利晶の杜へと巡りました。
利晶の杜ではいつもシマノ自転車博物館にもガイド入っている方に環濠全体の説明をしていただきました。今走ってきたところを再確認することもできました。

最後に堺頓宮に立ち寄り、この社の隣にある「白夜の兎」を見学。
兎は住吉大社ゆかりの動物なのですが、住吉大社の御旅所である堺頓宮にもゆかりの兎の彫像があるのですね。堺出身の岩田千虎（かずとら）指導のもと1963年に作られたものです。

たっぷりと旧市街を満喫して昼過ぎには自転車博物館に戻りました。
この日は走っている時間よりも見学の時間が長い、堺の歴史と文化に触れるまさに「堺散走」となりました。
こんな愉しみ方をしていると、堺だけでも何日も楽しめます。
そしてそれには自転車を使って愉しむのが一番です。秋は絶好の季節。皆さんもゆっくりと散走を愉しんではいかがですか。